第二新卒の転職成功ガイド:求められる理由と転職のポイント

転職コラム

第二新卒の転職市場は年々拡大し、企業も積極的に採用を進めています。本記事では、第二新卒が求められる理由や転職の成功ポイントについて解説します。

第二新卒とは何か

社会構造の変化

近年、日本の社会構造は大きく変化しており、従来の終身雇用制度が崩れつつあります。その背景には、少子高齢化による労働人口の減少、グローバル化による競争激化、テクノロジーの進歩による産業構造の変化などが挙げられます。このような社会構造の変化に伴い、若者世代は、従来のように一つの企業に長く勤めることを良しとする考えから、より自分の適性やキャリアビジョンに合った仕事を探し、転職を繰り返すことをためらわなくなりました。

企業側も、人材の多様化や変化への対応力を求めるようになり、新卒一括採用だけでなく、経験者採用や中途採用にも積極的に取り組むようになりました。第二新卒は、新卒で培った基礎的な知識やスキルに加え、社会経験を通して得た実務経験やコミュニケーション能力を備えているため、企業にとって魅力的な人材となっています。

第二新卒の定義

第二新卒とは、大学卒業後、最初の就職から2~3年以内に転職活動を行う人のことを指します。一般的に、新卒で入社した企業での経験を積んだ後、新たなキャリアに挑戦したいと考えて転職を検討するケースが多いです。

第二新卒の転職が注目され始めたのは、2000年代後半からと言われています。リーマンショックの影響で、多くの企業が採用を縮小し、就職難時代が到来しました。この状況下で、新卒で就職したものの、自分の適性やキャリアビジョンに合わないと感じ、転職を検討する若者が増えました。

その後、2010年代に入ると、IT技術の進歩やスタートアップ企業の台頭などにより、新たなビジネスモデルや働き方が生まれてきました。このような変化の中で、若者世代は、従来の企業文化や価値観にとらわれずに、自分の能力を活かせる仕事を探し、転職を繰り返すことをためらわなくなりました。

第二新卒の転職は、社会構造や企業のニーズの変化を反映したものであり、今後もますます増えていくことが予想されます。

第二新卒のメリット

第二新卒として転職活動を行うのには、いくつかのメリットがあります。

まず、第二新卒転職というジャンルが存在するため、具体的な転職ルートがあるということです。転職サイトや、転職エージェントの元には膨大な数の第二新卒求人が集まってきていますので、その中から選べるという状態になっています。

次に新卒時代に培った経験やスキルを活かして、より専門性の高い仕事に挑戦できる機会があります。会社や業界によっては年功序列のようなキャリア制度がまだ残っており何年も待たないと得られないようなスキルアップの機会が、転職するだけで手に入るケースがあります。

さらに、転職活動を通して自己分析を行い、自身の強みや弱みを理解し、目指すべき将来のキャリアプランを明確化できるというメリットもあります。

第二新卒のデメリット

第二新卒の転職には、いくつかのデメリットも存在します。まず、新卒と比べて圧倒的に活動に充てられる時間が短く、限られた時間の中で効率的に活動を進める必要がある点が挙げられます。

また、現職と並行して行うことから、面接対策や書類作成に苦労するケースも少なくありません。かといって退職をしてから転職活動を行うことは不利な点が多く、あまりお勧めすることはできません。

さらに、前職での経験が必ずしも転職活動に有利に働くとは限らず、むしろ過去の経験がネックになる場合もある点は注意が必要です。具体的には一貫性がない、短絡的である、思考が浅いなどといった酷評が返ってくるケースもあり、それらの選考フィードバックは心に重いダメージを与えます。

企業が第二新卒を求める理由

戦力としての期待

企業は、第二新卒に対して、新卒よりも高いレベルの業務遂行能力やコミュニケーション能力を求める傾向があります。これは、第二新卒がすでに社会経験を積んでいるため、即戦力として活躍してくれることを期待しているからです。例えば、新卒では学ぶ必要があった業務知識やスキルを、第二新卒はすでに習得していることが多く、企業はすぐに戦力として活躍してくれることを期待しています。また、第二新卒は、新卒時代に培った経験を通して、企業の組織や文化への理解度も深まっているため、スムーズに業務に適応できると期待されています。

柔軟性と適応力

企業は、第二新卒に対して、新卒よりも高いレベルの柔軟性と適応力を期待しています。これは、第二新卒が、新卒時代に培った経験を通して、変化への対応能力や新しい環境への適応能力を身につけていると考えられているからです。例えば、新卒では、上司や先輩の指示に従うことが中心でしたが、第二新卒は、自身の経験を通して、状況に応じて柔軟に対応する能力を身につけていると考えられています。また、第二新卒は、新卒時代に培った経験を通して、異なる職種や業界への適応能力も高まっているため、企業は、第二新卒が新たな環境にもスムーズに適応してくれることを期待しています。

若さと将来性

企業は、第二新卒に対して、新卒と比べて年齢は高いものの、依然として若さと将来性を期待しています。これは、第二新卒が、新卒時代に培った経験を通して、成長意欲や学習意欲が旺盛であると考えられているからです。例えば、新卒では、仕事に対する意欲や熱意は高くても、経験不足から具体的な行動に移すことが難しい場合がありますが、第二新卒は、自身の経験を通して、具体的な目標設定や行動計画を立てる能力を身につけていると考えられています。また、第二新卒は、新卒時代に培った経験を通して、将来のキャリアプランを明確に描いている場合が多く、企業は、第二新卒が自身の成長に意欲的に取り組んでくれることを期待しています。

第二新卒の転職成功ポイント

自己分析とキャリアプランの構築

第二新卒の転職活動では、まず、自身の強みや弱みを理解し、キャリアプランを明確にすることが重要です。新卒時代に培った経験を通して、自分がどのような仕事に向いているのか、どのようなキャリアを築きたいのかを深く考え、具体的な目標を設定しましょう。自己分析には、過去の経験を振り返り、成功体験や失敗体験から学びを得ることが重要です。また、興味のある業界や職種について情報収集を行い、自身のキャリアプランと照らし合わせて、具体的な目標を設定しましょう。

企業研究と求人選び

第二新卒の転職活動では、企業研究と求人選びも非常に重要です。企業の理念やビジョン、事業内容、社風などを理解した上で、自身のキャリアプランと合致する企業を探しましょう。また、求人情報だけでなく、企業のホームページや口コミサイトなども参考に、企業の評判や社風について調べることが重要です。転職エージェントを利用する場合は、エージェントに自身の希望条件を伝え、適切な求人を紹介してもらいましょう。

面接対策とPRポイント

第二新卒の転職活動では、面接対策も非常に重要です。面接では、自己PRや志望動機、経験に基づいた質問など、様々な質問がされます。事前にしっかりと準備を行い、自信を持って面接に臨みましょう。自己PRでは、新卒時代に培った経験を通して、どのようなスキルや知識を身につけ、どのような成果を上げたのかを具体的に伝えましょう。志望動機では、なぜその企業で働きたいのか、その企業でどのような貢献をしたいのかを明確に伝えましょう。また、面接では、過去の経験を具体的に説明することで、自身の能力やスキルをアピールしましょう。

転職エージェントの活用

第二新卒の転職活動では、転職エージェントの活用も有効です。転職エージェントは、求人情報の提供や面接対策、交渉など、転職活動の様々な面でサポートをしてくれます。特に、転職活動の経験が少ない第二新卒にとっては、転職エージェントのサポートは非常に心強いものです。転職エージェントを利用する際は、複数のエージェントに登録し、それぞれのエージェントの特徴や強みを理解した上で、自分に合ったエージェントを選びましょう。

第二新卒転職の成功事例

成功事例1

Aさんは、新卒で入社した銀行で営業職として2年間勤務しました。しかし、営業の仕事に面白さを感じられず、転職を決意しました。Aさんは、大手転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに自身の希望条件を伝えました。キャリアアドバイザーは、Aさんの経験やスキルを考慮し、IT業界の営業職を紹介しました。Aさんは、面接対策や書類作成のサポートを受けながら、転職活動を進め、見事、希望する企業に転職することができました。

成功事例2

Bさんは、新卒で入社した企業で事務職として2年間勤務しました。しかし、事務の仕事だけでは物足りなさを感じ、より専門性の高い仕事に挑戦したいと考え、転職を決意しました。Bさんは、indeedでたくさんの求人を閲覧し、未経験でもチャレンジできるWEBマーケティングの求人で転職活動を進め、見事、希望する企業に転職することができました。

成功事例3

Cさんは、新卒で入社した企業でエンジニアとして2年間勤務しました。しかし、受託開発で必ずしも自身のスキルアップに繋がる仕事に恵まれず、転職を決意しました。Cさんは、エンジニア転職に特化した転職エージェントに相談。キャリアアドバイザーは、Cさんの経験やスキルを考慮し、事業会社で自社プロダクトの開発ができるエンジニアの求人を紹介しました。Cさんは、面接対策や書類作成のサポートを受けながら、転職活動を進め、見事、希望する企業に転職することができました。

まとめ

第二新卒の転職は、自身のキャリアプランを明確にし、適切な企業選びと転職活動を行うことで、大きなチャンスとなります。本記事で紹介したポイントを参考に、積極的に転職活動を進めていきましょう。転職活動は、決して簡単なものではありませんが、自身の成長に繋がる貴重な経験となります。積極的に行動し、新たなキャリアに挑戦することで、自分自身の可能性を広げていきましょう。

國本 康秀

東海大学卒業後、ブライダル業界の営業職を経て、リクルート住まいカンパニー(現・リクルート)入社。

2018年にcircus株式会社の創業期メンバーとしてジョイン。キャリアアドバイザー、circus AGENTのカスタマーサクセスとしてPMF・オンボーディング、人材紹介事業立ち上げコンサルティング、採用支援サポート、求職者集客支援マーケティング全般を手がける。

転職コラム
シェアする
國本 康秀をフォローする
タイトルとURLをコピーしました